月子先生インタビュー


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【ねり☆星】第4弾!
5月中旬、現在5誌(!)で連載を抱える月子先生にインタビューする事が出来ました。
場所は、月子先生が「行ってみたい!」と選んでくださった中村橋のお洒落なカフェ「fato.(ファト)」さん。
その後、中村橋駅前の商店街の中にあるスイーツ店「どんぐりの木」に移動して、作品の事、練馬の思い出や
苦労(?)時代の事をお聞きする事ができました。なんとも至福の時間でございましたよ!

profile
月子

岩手県盛岡市出身。
2000年に別冊ヤングマガジン(講談社)から『眼を閉じて』でデビュー
アシスタントをしながら作品を発表するが、売れない日々が続く。
2010年に発表した「彼女とカメラと彼女の季節」がスマッシュヒット。

現在、『彼女とカメラと彼女の季節』(モーニング・ツー/講談社)
『つるつるとザラザラの間』(good!アフタヌーン/講談社)
『僕の血でよければ』(ジャンプ改/集英社)
『トンネル抜けたら三宅坂』(ビッグコミックスペリオール/小学館)
『トコナツ』(コミックスピカ/幻冬舎 )を連載中の超売れっ子である。

公式ブログ 彼女とカメラと月子通信



ねりまん(以下青字)) 本日はお忙しい中、ありがとうございます。
現在、こういったインタビューの依頼とか多いんじゃないですか?

月子(以下黒字)) いえいえ、そんな事ないですよ。これまでにまだ3 件くらい・・・ですね。
「N ちゃんねる(仮)」さんというラジオ番組と、「Cocohana」(集英社/3月号)という女性誌、それに
もうすぐ発売される(5月27日発売)「月刊!スピリッツ(小学館/7月号)」ですね。そちらは毎回違う作家さんが
「非日常な彼女」というテーマでイラストを描いてて、そこにちょっとインタビューが載ってます。
(※月スピを後日購入しましたが、高校生時代の事とかをお話されていて楽しかったですよ!)

– 初投稿やデビューが講談社の『ヤングマガジン』なのですが、何故ヤンマガを選んだのですか?

4つ5つ離れている兄が2人いまして、その影響で青年誌が結構好きで読んでいました。
その中でヤンマガが一番おもしろいなって思って。門が広いというか、色んなジャンルのマンガが載っていたので。

– 少女漫画は読まなかった?

あまり読まなかったですね~。大人になってからは『FEEL YOUNG』とかを読んでますけど。
今は編集さんとかにお勧めのマンガをきいて、名作少女マンガも読んだりしてます。
この前初めて『風と木の詩』『ベルサイユのばら』を読みました!

高校生の時に、初めてトーンを貼った原稿を描いてヤンマガに投稿しました。
どんなマンガだったか覚えてないんですけど、一番下の賞を頂きました。
「感傷的な雰囲気」と言われたので、感傷的なマンガだったんだろうなと思います(笑)

デビュー作の『眼(ひとみ)を閉じて』は50ページの読み切りで、彫刻家と盲目の少女の出会いのマンガでした。
当時自分が学んでいた「彫刻」は、もし目が見えなくても触るという手段で何か感じられるんじゃないかな、と思い付き描いた作品です。

その後はボツばかりで…

2006年に「マガジンSPECIAL」で『梅しぐれ』の連載をしました。
古城が好きな少年と、不良っぽい金髪ロングの少女のラブコメショートを描いてたんですが、全然人気がなくて(泣)
半年くらいで打ち切りになりました。

– (号泣)…それが今では沢山の連載を抱えるまでに!

マンガを描きたくても描けなかった時期が長かったせいで、発表したい欲が溜まりまくってたんだと思います。
お仕事貰えることと描けることっていうのはものすごい幸せなことなので、引き受けている内に連載が増えていった感じですね。
正直まだ新人みたいなもので、実質マンガ家って言えるのは『カノカメ』を始めた頃からの2 年くらいかと…。

”カノカメ”こと『彼女とカメラと彼女の季節』。この三角関係から目が離せない! © 月子 / 講談社

”カノカメ”こと『彼女とカメラと彼女の季節』。この三角関係から目が離せない!
© 月子 / 講談社

 

– 「このマンガがすごい!2013」では、「この新人がすごい!」のコーナーに掲載されていましたね!

「ランキングに入ってない」って担当さんに言ったら、「でも逆に目立つからいいじゃん」って言われて、
「なるほど」って(笑)。 とても嬉しかったです!

日芸に入学。上京、そして練馬へ!

– いつ頃上京なさったんですか?

大学に入る時だから18、19歳の時ですね。日芸(※日本大学藝術学部)で彫刻をやってました。

石を彫ってたんですが、大きな音が出るので18時までしか出来ないんですよ。周りが住宅街なので。
だから18時になると大学の図書館に行って映画のDVD を1本観て、それから家に帰ってマンガを描いてました。
映画学科もあってマニアックな名作が多く揃っているので、そこで映画を随分観ましたね。
サークルなどには入らず、けっこう1人で淡々と過ごしていました。

所沢に1,2年の校舎があるので、最初は埼玉県の狭山という所に住んでいました。
3年から江古田の校舎になるので、引っ越した方がいいなと思って中村橋に引っ越しました。
5万円ちょいのアパートだったんですけど、窓から雨漏りとかしてヒドイ所でした(笑)。壁も薄くてとなりのお姉さんが声優さんなのか、台本読んでるのが丸聞こえで…。
貧乏だったので通学も自転車で!貧乏をエンジョイしまくってました。

でも中村橋はいい所ですよね。
マスコットキャラクターの「ニャンピー」とか・・・全然かわいくないからスゴイなと思って・・・(笑)

ニャンピーさん (C)サンツ中村橋商店街

ニャンピーさん
(C)サンツ中村橋商店街

2年生ぐらいの時にデビューして、在学中に読み切りとかを発表してました。
卒業後にアルバイトをしながら、マンガ家のアシスタントをするようになりました。

– どんなアルバイトをしてたんですか?

卒業後1 年くらいは高田馬場の不動産屋さんで。在学中からスナックで働いてました。
喋り下手だし飲めないしで全然役立たずでしたけど(笑)。

– スナック!?源氏名とかあったんですか?

「月子」です(笑)。

– なんと!(笑) 「スナック 月子」とかありそ・・・
えー、練馬で、先生のお勧めのお店はありますか?

富士見台の『牛蔵(ギュウゾウ)』!(駅近くの焼肉屋さん)
有名なお店ですけど、私が行っていた頃は予約しなくてもすぐ座れたんですよね。いいお肉で本当に美味しいです。

あと『源烹輪 (ゲンポウリン)』という中華料理屋さん。麻婆豆腐がほんと、唐辛子の辛さが強烈で美味しかったです。
杏仁豆腐も!

江古田の『焼肉ハウス』もおいしいですね。なんか肉ばっかりですけど(笑)

食べ物屋以外では・・・貫井図書館(笑)光が丘団地も好きです。練馬文化センターも、タンゴの曲が好きなので、コン
サートに行ったりしていました。
あと散歩しながら写真を撮り歩いたんですけど、少し駅から離れるといきなり大根とかの畑が出てくるところが好きです。

マンガのこと、作品のこと

– アシスタントをしていた先生はどなただったんですか?

何人かのマンガ家さんの所にお世話になりましたが、一番最近入ったのは「マガスペ」のコージィ城倉先生の所です。
(代表作:『ティーンズブルース』、『おれはキャプテン』など。)

そちらでアシスタントのシステムなどを見せてもらった事で、凄く勉強になりました。
技術面もそうですけど、精神面でも助けて頂きました。持ち込みしてダメだった時なんかも「没なんて当たり前」と言われ、
「1社持っていってダメでも、それ持って他の出版社全部廻れ!」と。
先生の現場ですごい仕事量を目の当たりにしてたんで、私も今結構描かせてもらっていますけど、それが当たり前と思えたらいいなって。

– 新しく「ウチで描きませんか?」と言ってくる出版社などはありますか?

ありますよ~。女性誌からも最近多いです。
今は連載してる作品でいっぱいいっぱいなんで具体的な話はしてないんですけど(笑)

『僕の血でよければ』 イメージイラスト (C) 月子 / 集英社

『僕の血でよければ』 イメージイラスト (C) 月子 / 集英社

 

– 好きなマンガ家さんは?

楳図かずお先生、曽田正人先生、コージィ城倉先生、高橋のぼる先生、古谷実先生、安達哲先生、有間しのぶ先生など挙げたらキリがないです。今は山岸涼子先生のマンガを集め始めています!

– コージィ城倉先生は、『トンネル抜けたら三宅坂』の原作もしてらっしゃいますね。(漫画原作は「森高夕次」名義)

そうですね。『~三宅坂』を再開するにあたって、「月子なら描けるんじゃないか」と思っていただいたらしくて。
(※『トンネル抜けたら三宅坂』は過去に藤代健先生作画で連載していたが、掲載誌が廃刊となり中断していた。)

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– 『~三宅坂』はかわいくて下品で大好きな作品なのですが、新連載時のアオリに”平成のがきデカ”と書かれていましたね。

『がきデカ』は読んだ事がないのですが、城倉先生がそういうイメージで作ったというようなお話を聞きました。

– 描いていて「もうイヤ!」って思う事とかありませんか?(モッコリとかが多いので・・・)

ありません(笑)。楽しんで描いてます!原作をネームでいただくんですが、コージィ先生のマンガを読み慣れているせいか、
すぐ「こういう絵が欲しいんだな」ってわかるんです。それをひたすら原稿にしていく感じです。

– 『彼女とカメラと彼女の季節』(以下カノカメ)は、先生の実体験が元になっていたりするのですか?

大学時代に好きだった女の子はいました。色白ですごくかわいい娘でした。ユキという感じではなかったですけど。
その時の憧れの気持ちそのものは『カノカメ』に反映されてると思います。
同性を好きになるのは特別な事だとは思ってなくて、そういう感じで描こうと思っていたので。

– 先生もカメラがお好きなんですか?

はい。結構バシバシ撮ってます。特に建物を撮るのが好きで、ユキが使っている2眼のカメラも持っています。
そっちは重いので、今日は雑誌の付録のカメラを持ってきたんですが(笑)これもちゃんと撮れるんですよ。

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■ 大人の科学マガジン vol.25

 

結構「fato.」さんに長居してしまったので、場所を移動する事にしました。
先生がアシスタント時代に、差し入れでもらったお菓子がおいしかったとの事で、中村橋駅前の商店街の「どんぐりの木」さんへ。

ここでなんとイベント発生!

お店に向かう途中、突然月子先生が「○○さん!○○さん!」と、道行く男性に声をかけたのです。
なんと今大人気の○○先生でした!これにはたまげましたね。

歩いているとマンガ家とすれ違う・・・それが練馬・・・(゚∀゚)

月子先生の撮った写真を見せて頂く。左は佐渡島に行った時のイカ釣り船。イカがすごくおいしかったそう! 右は先生の足(笑)そして建物の写真が沢山!ノスタルジックな気分になりました。

月子先生の撮った写真を見せて頂く。左は佐渡島に行った時のイカ釣り船。イカがすごくおいしかったそう!
右は先生の足(笑)そして建物の写真が沢山!ノスタルジックな気分になりました。

 

– 私(雷蔵)は先生の描く女の子の太ももが大好きなんですよ。

そこは魂込めてます(笑)。女子高生のパツンパツンの太もも、いいですよね!

– アシスタントさんは何人いらっしゃるんでしょう?

私の机の他に2 つ仕事場に机があって、4 人くらいの人を毎回2人ずつ回してる感じです。皆速くて上手いので、その力あっ
てこその原稿です。急なお願いにも対応して頂けるので、とても有難いです。

– 担当編集者さんに何か言いたい事とかありますか?文句(もっと休ませろ!)とか・・・。

文句は特にないです(笑)。いつも良くしてくれてありがとう!と。変な人がいないですからね。
いや、変って言ったらみんな変だけど…。(!?)

– ネームの段階でボツとかはあるんですか?

ありますあります。でもマンガが面白くなるのが一番重要ですから。言うときにはビシッと、言ってくれます。
言われて納得できたら修正したり、全部描き直したり。それで良くなるなら結果オーライです。
逆にもやっと何かふに落ちなくても、そのまま通しちゃう方が怖いです。

netaname

 

– 過去作品(読みきりなどの)の短編集が出る予定はありますか?

まだないですね。ページがたまってないのもあると思うんですけど。

– 7月23日(火)に単行本が2冊発売されますが、読者の方にメッセージはありますか?

待望の第1巻発売!爬虫類苦手男子と爬虫類大好き女子のドキドキラブコメディー♪(C) 月子 / 講談社

待望の第1巻発売!爬虫類苦手男子と爬虫類大好き女子のドキドキラブコメディー♪
(C) 月子 / 講談社

 

『カノカメ』の方はどんどん変化していく3人の感情を楽しんでいただけたらなと。
『つるつるとザラザラの間』は、1巻目なので知らない方も多いかと思いますが、甘々ラブラブなマンガなので、疲れてる時とかに読んで欲しいです!

最後に

本日はありがとうございました!
最後に、マンガ家を目指している人達にアドバイスをお願いします。

わたしはデビューから、実際マンガ家として稼働するまでにえらい時間がかかってしまったので、アドバイスなどと言われるとおこがましいですが、今までわたしがいただいたアドバイスの中で印象に残っているものをふたつお話します。

ひとつは編集さんから言われたことで、『これを描かないうちは死ねない』と思うような作品を作れと。

当時なかなか会議を通らない焦り、周囲の意見などに振り回されて、自分でもなにを描いたらいいかわからないままやみくもにネームだけを切っていたと思います。そういう時にこの言葉を貰いました。

その数ヶ月後に『彼女とカメラと~』のネームを作りました。
1話目、2話目と描いていくうちに、自分の中でキャラクターと作品の存在が大きくなっていき、おおげさでなく
『これをちゃんと描ききらなければ全て終わる』
と思うようになりました。全て、というのはわたし主観での世界、生活の全てです。
自分の中にある本当に描きたいものは何なのか、迷った時はじっと考えてみる必要があると思います。

もうひとつはもっと具体的なことになりますが、
『1つの雑誌に持って行ってダメだったら他も当たってみる』です(笑)。

これは人によっては当たり前のことなんですが、特に新人でボツを食らうと必要以上に落ち込んだり自信を失ってしまうことがよくあると思うんです。ダメだと言われたネームや原稿を、もう一度違う人の目に晒すのは勇気が要ります。
でも雑誌編集者さんもいろいろなひとがいますから。

こっちでダメでもあっちではOK かもしれない。
実際そうやってハシゴしてデビューしている大御所さんも沢山いらっしゃいます。
だからボツをくらってもめげないで、いろいろな人に見てもらう。
それでもダメならすぐ違うものを描いて持って行く。
あ、でも、『どうしてもこの雑誌で連載したい!』という意志があるのなら、ハシゴはしなくてもいいです。

まずは先ほど言った、自分のコアな部分を抽出したネームを作ること。
そしてそれを強い精神力で量産していけば、きっと目指す道が見えてくると思います。

(了)

素敵な色紙を描いて頂きました(´∀`)!二人にはずっと仲良くいて欲しい・・・。

素敵な色紙を描いて頂きました(´∀`)!二人にはずっと仲良くいて欲しい・・・。

なんともう一枚!僕の大好きな登も描いてもらっちゃいました(^ω^)

なんともう一枚!僕の大好きな登も描いてもらっちゃいました(^ω^)

作画風景を見れるのが至福!

作画風景を見れるのが至福!

読者プレゼント!

月子先生のサイン入り、『彼女とカメラと彼女の季節』第2巻を、抽選で2名様にプレゼントします。
最初、ねりまんプロジェクトからの1冊だけにしようと思っていたのですが、先生のご好意でもう1冊頂く事ができました。
なんて優しい先生…!!

ん?ユキの肩に乗っているのは・・・(!?)

ん?ユキの肩に乗っているのは・・・(!?)

サラサラ~っと、速い!

サラサラ~っと、速い!

メールで件名に”月子先生サイン本希望”と書き、本文に氏名、住所、年齢、職業を書いて、常に連絡の取れるメールアドレスでご応募ください。

宛先:info☆neriman.moo.jp (☆を@に変えてください)

締め切りは終了しました。

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